ビジネスに新たな時代をもたらす「デジタル」

 

タタコンサルタンシーサービシズ(TCS)副社長で、デジタルエンタープライズ部門のグローバルヘッドを務めるサティヤ・ラマスワミが来日。これからの日本企業が競争優位を獲得する上で重要なポイントとなる『デジタル』について解説しました。

デジタルファイブフォースでビジネスの抜本的な変革を

『デジタル』は、企業のIT利用においてますます注目が高まっている技術分野の総称です。クラウドやビッグデータなどがその一部に当たり、これらを組み合わせることで企業が変革を遂げる可能性が高まっています。

クラウドやビッグデータというとBtoCで利用されるイメージが一般的ですが、同様にBtoBにおいても重要な意味を持っています。BtoBユーザーは、BtoCビジネスから見れば消費者でもあります。彼らには、消費者として利用しているデジタルならではの体験や技術を、ビジネスの現場でも活用したいというニーズがあります。モバイルアプリやソーシャルメディアは、個人でも企業でも多く利用されています。また、今日のアプリケーションは個人・企業を問わず、クラウドやビッグデータを活用しているものが多いでしょう。

こうしたデジタルを導入するに当たって、TCSでは独自のフレームワークを考案しました。デジタルを構成する主要な技術としてモバイル、ビッグデータ、ソーシャルメディア、クラウド、A(I 人工知能)とロボティクスの5つを定義し、「デジタルファイブフォース」と総称しています。5つの技術は単体として機能するのでなく、組み合わさってこそデジタルとしての真価を発揮します。

加えて、デジタル構想をインパクトのレベルやロードマップの進捗段階によって3つに分類しています。

最初のステップである「デジタル化」では、デジタルの力を個別に活用する段階です。紙ベースの処理をタブレットPCに変えるなど物理的なビジネスプロセスをデジタル化することを意味しています。

次の段階の「デジタルトランスフォーメーション」は顧客につながるチャネルを変革することに当たります。ウエブサイトにソーシャルメディアとの連携機能など最新のデジタル技術を活用することも、その一つです。

そして、デジタル構想の頂点に位置し、最も達成が困難なのが「Digital Reimagination(デジタル・リイマジネーション)」です。これにはデジタルファイブフォースを組み合わせて活用し、ビジネスが持つ6つの分野─ビジネスモデル、商品・サービス、チャネル、顧客セグメント、ビジネスプロセス、職場環境─について、これまでと根本的に違う新しい何かを創る「Reimagine(想造)」が必要になります。


日本企業の変革を実現する「デジタル・リイマジネーション」

この「リイマジネーション」もTCSが提唱している概念です。Innovation(イノベーション)と似ているようですが、イノベーションの多くは漸進的に生まれるものです。例えば、企業のビジネスプロセスをデジタル化したりチャネルを変革したりすることなどが該当するでしょう。

対して、リイマジネーションはもっと抜本的です。まっさらな紙やタブレット画面に、デジタルファイブフォースを前提に新たなビジネスプロセスを考え、実際に新たなビジネス像を描いていくのです。現在ある多くのビジネスプロセスは、デジタルファイブフォースが生まれる前に作られたものでしょう。そうした古いビジネスプロセスにある物理的な環境を、ただデジタルに変換するだけでは不十分です。「リイマジネーション」によって生み出されたまったく新しいプロセスは、デジタルにより不要となった手順が省かれ、飛躍的に効率的でスピーディなものとなるでしょう。

そして、この「デジタル・リイマジネーション」は、日本において大きな役割を果たすと考えています。日本は紛れもなく、世界で最も先進的な社会の一つであり、多くの面でロールモデルとなっています。高齢化や低成長という課題があっても、こうした先進的な側面に変化はありません。これらの課題はむしろ日本企業にとって ビジネスチャンスになるでしょう。IoT(Internet of Things)は高齢者の健康管理や生活に大いに役立つでしょうし、低成長は企業が積極的に競争優位を追求する動機付けになります。このチャンスに取り組むお客さまを「デジタル・リイマジネーション」が力強くサポートします。

TCSおよび日本タタ・コンサルタンシー・サービシズは一丸となって、お客様が『デジタル』を活用して、市場での競争優位を獲得するお手伝いをさせていただきます。




タタコンサルタンシーサービシズ 副社長 兼
デジタルエンタープライズ部門グローバル責任者
サティヤ ラマスワミ
Satya Ramaswamy

チェンナイのインド工科大学でコンピューターサイエンスの博士号を、シカゴのケロッグ経営大学院でマーケティング/分析コンサルティングのMBA(経営学修士)を取得。モトローラ社に入社し、初期のデジタル携帯電話用の組み込みシステムソフトウエアや初期のモバイルネットワークなどを担当。
その後、2つのベンチャー企業を成功させ、2010年にTCSのチャンドラCEOのモビリティに対するビジョンに共感し、TCSに入社。TCSではデジタルファイブフォースの複数の分野を手掛け、さらにお客さまにワンストップでサービスが提供できるように2013年にデジタルエンタープライズユニットを設立し、その責任者を担う。

※掲載内容は2015年7月時点のものです