TCS、2020年までの産業界のAI投資見通しをまとめたグローバルトレンド調査(後編)を発表

 

・平均投資額では、レガシー産業界、消費材業界、ハイテク産業界が上位を占める
・収益に占める割合では、消費財業界、公益事業、保険業界が他業界を上回る

 

2017年9月14日

TOKYO / MUMBAI、2017年9月14日:タタコンサルタンシーサービシズ(本社:インド・ムンバイ、以下「TCS」)は、グローバルトレンド調査(後編)「進歩する能力、発展する業界:世界の13業界におけるAI活用実態調査」を発表しました。現在、AI(Artificial Intelligence:人工知能)が事業にもたらす影響、および今後予想される影響に焦点をあて、世界4地域の13業種から835人の企業経営者にアンケート調査を行いました。その結果、すべての業界が、今後2020年までに、企業競争力を確保する上でAIがより一層重要になると認識していることが明らかになりました。

調査によると、現在、13業種のすべてにおいて80%の企業がAIに投資しており、2020年までに、ほぼ100%の企業がAIへの投資を予定しています。投資額では、全業種平均の7,000万ドルに対し、保険業界が1億2,400万ドルと、他の12業種を上回っています。保険業界に次いで消費財業界が9,500万ドルとなっています。

2020年までに、企業はAIを今後も長期的に注力すべき投資分野と認識しており、13業種のうち10業種においてAIへの投資拡大の意向が明らかになっています。拡大の幅は、現在AIへの投資額が少ない業界で最も顕著で、その最たる例である旅行、運輸、接客サービス業界では、2015年に400万ドルだったAIへの投資を2020年には750%増の3,400万ドルに拡大するとみられています。これにメディア/エンターテインメント/情報サービス業界の292%増、製造業界の74%増、医療業界の44%増、銀行/金融サービス業界の29%増が続きます。

調査結果について、TCS最高技術責任者(CTO)のAnanth Krishnan(アナンス・クリシュナン)は次のように述べています。
「前編に続く今回のグローバルトレンド調査では、産業界における現在のAI投資状況および今後の投資計画を、より詳細に調査しています。今回の調査では、あらゆる業種における企業が、AIを『2020年までの自社の事業競争力に大きな影響をもたらす技術』と認識していることが明らかになりました。特筆すべき点は、AIに最も多額の投資を行い、また最も大きな効果を感じているのは、劇的な変化のただ中にある保険業界のようなレガシー産業界や、あるいはAIを活用したイノベーションによりカスタマーエクスペリエンスの著しい向上が期待される消費財業界などに集中している点です」

収益に対する割合およびROIでみるAI投資
収益(平均値)に対するパーセンテージでみると、AIに最も積極的な投資をしているのは消費財業界の0.66%で、次いで公益事業(0.53%)、保険(0.52%)、電気通信(0.39% )となっています。AI投資を行った事業領域において収益改善とコスト削減の両面で明確なプラスの効果があったと企業は回答しています。全業種平均で、収益面では17%、コスト削減では12%の効果がみられました。2015年にAI投資から最も大きな価値を得たのは通信事業者で、平均で25%の収益改善および20%のコスト削減を実現しました。

活用頻度ではIT部門がトップ
当然ではあるものの、AIを活用している部門として最も回答が多かったのはIT部門で、中でもハイテク産業界や公益事業では、他の11業種の企業に比べてコグニティブ・テクノロジー(認識技術)をITに導入する頻度が高い結果となりました。営業や販売にAIを活用する企業は13業種全体では29%にとどまったものの、消費財業界では過半数の52%、小売業界では半数近くの49%が販売業績の向上にAIツールを利用していました。

AI導入において乗り越えるべき課題
どのようにAIシステムのセキュリティリスクを効果的に管理するかは、大半の業界に共通する最重要課題のひとつであり、自動車、銀行/金融サービス、消費財、テクノロジー、製造、通信の各業界は、この点をAIの真価を引き出し、成功を導き出すための最大要因に挙げています。また、すべての業界において「AIが提示した助言を経営陣や従業員が信頼すること」、「AIの導入により生まれる新たなプロセスやシステムを従業員が習得すること」が、重要な要素として認識されています。 一方で、AIの導入により職を失うのではないかといった不安への対応は、ほぼすべての業界で大きな障壁とは考えられていません。実際、今年3月に発表された本調査の前編でも、AIによって最も大きな収益・コスト改善効果を手にした企業は、コグニティブ・コンピューティングを活用したイノベーションにより2020年までに各部門で少なくとも3倍の職が新たに必要になるとみていることも明らかになっています。

第7回TCSグローバルトレンド調査について
7回目となる今回のグローバルトレンド調査では、世界の4つの地域の企業(売上高の平均が200億ドル)の経営者835人を対象としてアンケート調査を行いました。4つの地域の内訳は北米(アメリカ、カナダ)、欧州(イギリス、ドイツ、フランス、デンマーク、スイス)、アジア太平洋(インド、中国、オーストラリア、日本)、中南米(ブラジル、メキシコ)で、調査は2016年6月に行われました。

・本レポートの詳細(英語版)についてはこちらをご覧ください。

・本年5月に実施したグローバルトレンド調査(前編)の日本版(抄訳・PDF)につきましては、以下よりご覧ください。
「期待膨らむ人工知能 活用に向けた計画が日本で活発化」

・現在、日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社は、企業のITインフラ運用向けに開発されたAIを搭載したコグニティブ・オートメーション・ソリューション「ignio™(イグニオ)」を提供しています。


タタコンサルタンシーサービシズ(TCS)について
タタコンサルタンシーサービシズは、世界の企業を顧客として革新的かつ業界最高水準のIT サービス、コンサルティング、およびビジネスソリューションを提供する企業です。TCS はコンサルティングを基盤とし、IT、BPS、インフラストラクチャ、エンジニアリング、およびアシュアランスサービスを総合的に展開しています。これらは卓越したソフトウェア開発の基準として認識されている、TCS 独自のグローバル・ネットワーク・デリバリー・モデル(Global Network Delivery Model)を通じ、提供されています。TCS は世界有数のコングロマリット(複合企業体)であるタタグループに属し、387,000人を超える最高のトレーニングを受けた人材を世界46 カ国に展開しています。2017 年3 月31 日を末日とする会計年度の売上高は176 億米ドルに達し、インドナショナル証券取引所とボンベイ証券取引所にも上場しています。 TCS の詳細についてはwww.tcs.com/jp をご覧ください。